ここでは,MinGW環境下でのwxWidgetsのインストール方法をまとめます.
UNIX環境下でソフトウェアをインストールする場合,C言語などで記述されたソースプログラムからコンパイルしてインストールすることが一般的な方法の1つとなっています.
MinGW環境下ではC言語のコンパイラ(GCC)が使用できるので,これに基いてコンパイルとインストールを行うわけです.
wxWidgetsは https://www.wxwidgets.org/ のサイトで配布されています.
例.ソースパッケージ wxWidgets-3.0.2.zip をインストールする作業
Step-0: wxWidgets-3.0.2.zipを展開してソースパッケージ用フォルダ wxWidgets-3.0.2 を作ります.これを C:¥ に配置します.
Step-1: MinGWのヘッダファイルの編集
C:¥MinGW¥include¥commctrl.hの中に
#define TV_DISPINFO __AW(NMTVDISPINFO) |
という行がありますが,(探してください)これを,
#define TV_DISPINFO NMTVDISPINFO |
に変えてください.(くれぐれも慎重に!.全角文字はNG!)
Step-2: MinGW Shellを起動して,カレントディレクトリを C:¥wxWidgets-3.0.2 に移動する.
Step-3: 下記のコマンドを発行する.(コンパイル環境の準備)
./configure --prefix=/mingw --enable-unicode --disable-debug --disable-shared --with-msw --with-regex |
この処理を確実にしないといけません(試練!)
しかもこの処理は結構時間がかかります.マシンの性能が低い場合は30分くらいかかったりします.
Step-4: 下記のコマンドを発行する.(コンパイル処理)
make all |
Step-5: 下記のコマンドを発行する.(インストール処理)
make install |
参考)Step-4 を省略して,Step-5を実行してもよい.
この処理も確実にしないといけません(試練!)
Step-4〜5はかなり時間がかかります.マシンの性能が低い場合は1時間くらいかかったりします!
トラブル対処例: コンパイル中に「wctype.hが無い!」と言われたら…
C:¥MinGW¥include¥wctype.h |
を
C:¥MinGW¥msys¥1.0¥include |
に複写してStep-3に戻ってみてください.
インストールが完了したら,C:¥wxWidgets-3.0.2¥samples 配下のどれかのサンプルを make して,そのアプリが出来上がること,またそれが実行できることを確認してください.